■旧ステレオ事業部守口工場での初の内製ユニットを採用したSB-R100です。
他にはR200/RX30/RX50/F75等もラインナップされていましたがは作れば作るほど
赤字になるようなプレミアムなスピーカーでした。
Technicsの歴史に於いてそのほとんどのスピーカーユニットは部品事業部にその生産を依存していましたが
内製ユニットを搭載した上記のスピーカーシステムはとても貴重な製品です。
RX30は瞬発力と透明感のある音質、そしてRX50はタイトで更に磨きをかけたシャープな低域と
情報量の多いシリーズの代表格と言えるモデル。
R100/R200は密閉型によるなだらかな減衰によるニュートラルな低域と全ての機種がリニアフェイズ方式による
正確な音場再現性により小型モニターとして充分通用する素晴らしいスピーカーです。
その音質は現在のスピーカーも凌駕すると言っても過言では無いかと思います。
同じブランドでも同時期の平面振動板の構造は部品事業部製のコアはアルミハニカム製
ステレオ事業部製のそれは熱可塑性樹脂を成型したコアを採用しているのが大きな相違点です。
後のSB-RX70(RX100)は事業部の国内移転もあった為内製ユニットかどうかは不明です。
当時生産システムの開発導入にかかわった者だと言う事だけお伝えしておきます。
個人的には旧Technicsの残した技術で特筆すべきはダイレクトドライブプレーヤーと
当時のスピーカー開発室の石井室長以下のメンバーが開発したリニアフェイズスピーカーと捉えています。
SB-7000のオーナーでもありましたが正直大味な音質であまり好みではありませんでした。
いかにリニアフェイズ方式であってもユニットの特性も正確な音場や音質再現には不可欠です。
新生Technicsのダイレクトドライブプレーヤーは素晴らしいですがSB-R1の大型SPには特に感銘しませんでした。
旧Technicsが理想的なユニットとして帰結した素晴らしい同軸平面ユニットのコンセプトを焼き直した商品ですが
イメージアップを図る高額商品と最上級スピーカーを開発コンセプトに置いたのか分かりませんが
果たしてマルチウェイにする必要があったのかと思います。
その存在を否定する訳ではありませんがSB-RX50を超えるリファインした同軸単発ユニットによる
スピーカーシステムこそラインナップして頂きたかったと思いますそれだけで充分です。
そこで今回出品のSB-R100です。
SB-RX50は発売直後購入しエッジが破れる迄13年間愛用しましたがこれも素晴らしい音質でした。
最近ではSB-RX50のエッジを今回のSB-R100と同じ手法による自作エッジで6台復活させ
SB-R100も今回出品の物も含めて8台復活させています。
自作エッジ製作についてはウェブサイトの情報を参考に布に液体ゴムを塗布する方法としています。
SB-R100のウーハー内周エッジは市販のラバーエッジで代用できましたが他の全てのエッジは上述の手法による自作です。
ウーハー外周からはパッシブラジエーター更にその外周部のフレームまで一体の多重エッジの為
自作するには躊躇してしまう程の難物です。
エッジの形成作業は形状維持の為、全エッジの根元部分は型紙に全て縫い付けると言う非常に手間と時間が掛かかる物でした。
液体ゴムは5層塗りです。
また自作エッジの為ロール形状がどうしてもいびつになっていますが音出しには全く影響はありません。
エッジ貼り付けは無造作に行うとボイスコイルとギャップが接触し異常音発生の原因となる為
音出しをしながらセンター出しを行いました。
ネットの変形修正と再塗装も実施していますが若干の変形跡は残っています。
ロゴバッチも再塗装しています。
本来このスピーカーには専用スタンドが付属しているのですが欠品の為当方にて簡易型のスタンドを製作していますので
それもお付け致します。
純正スタンドの傾斜角は約25度でしたのでそれに合わせて設計、製作しています。
スタンドの可視部分はダークグレーメタリック仕上げです。
スタンドの固定は六角穴付きボルト首下15mm1本で固定します。(固定ねじもお付け致します)
スピーカー背面に壁掛け用穴もありますので純正の金具があれば安定した壁掛け使用も可能ですが
当方はホームセンターで入手したブラケットで壁掛け使用していましたが全く問題ありませんでした。
そのブラケットとスピーカー本体への固定ビスもお付け致しますので床置き、壁掛けの両刀使いが可能です。
自作エッジの為振動板の振幅ストロークがやや制限された結果となっていますが
普通の音量プラスアルファ程度では全く問題ありません。
私なりに渾身のメンテナンス品です。
修復作業に予想以上に手間が掛かり難度も高く正直もう関わりたくないスピーカーです。
■音質についての個人的感想
●使用機器
CDプレーヤー パイオニア PD-F1007
プリアンプ Technics SU-A8
グラフィックイコライザー Technics SH-E6(63Hzと100Hzを2dB上げています。他はいじっていません。)
パワーアンプ Technics SE-A7
試聴環境 16帖洋室
●ストラヴィンスキー バレエ音楽 ペトルーシュカ(広ダイナミックレンジで音質評価用として多用しています。)
第1部 謝肉祭の広場
金管楽器やティンパニーの音やトライアングルの澄んだ透明感のある響きが素晴らしいです。
第2部 ペトルーシュカの部屋
木管楽器の柔らかい音とピアノの弾む音や左手部分も良く再現されています。
金管楽器の音の通りも良く混濁感を感じさせません。
第4部 謝肉祭の広場
チェロの太い音が泣かせてくれます。
クライマックスに向かうフルオーケストラは圧巻です。
●片平里菜 片思いの味
さすがに最近の録音でこれも鮮烈な音にびっくりします。
立ち姿や艶やかな音は唇の濡れ感まで感じます。
録音時にヘッドホンを掛けマイクに向かっている様子まで伝わって来そうな実在感で
マスターテープを聴いている様な音の抜けと切れの良さです。
●フランク永井 有楽町で逢いましょう
魅力的な独特の低く甘い低音ボイスが良く表現出来ています。
●ジブリ 耳をすませば サントラ盤
地球屋歌うしずくの歌はあの場面を彷彿とさせます。
各楽器の響きや透き通ったあの歌声もとてもきれいです。
フロアー置きで試聴していますのでバッフル効果もありチェロの響きも充分です。
中高域もフラットですっと伸びていますので嫌味感も全くありません。
臨場感たっぷりでビッグマウスにならずに等身大のしずくが中央にぴったりと定位します。
●シューベルト 交響曲第9番 ハ長調 「ザ・グレート」
第一楽章 アンダンテ・アレグロ・マ・ノン・トロッポ
湧き上がる様なフルオーケストラも音崩れも無くこなします。
音量を上げれば「えっこのスピーカーが」と疑いたくなるような切れの良い音質です。
●Dave Grusin Discovered Again sheffield Lab 5から(オークションで知り合った方から頂いた音源です。)
ピアノの立ち上がりも鮮烈でビブラフォンの音色もとても心地良くベースもそれなりに出てはいますが
さすがに体の芯に響くまでは行きません。
しかしながらこのスタイルこの口径からは相当に頑張ってくれて今日範囲です。
続くドラムの連打は結構響きます。
録音現場が想像できるような音場感や空気感は素晴らしいと思います。
■このシリーズのスピーカーはツイーターの特性が突出していいと感じます。
非常に音飛びも良く透明感に富み音場感や空気感の表現に一役買っていると思います。
デジタルよりもむしろアナログレコードで聴いて頂きたいと思います。
低域も非常に自然で緩やかに下りながら結構下迄伸びています。
そして何よりも位相の揃った正確無比とも言えるその再現性とアーティストの等身大の定位感は音質評価の基準としても
ゆるぎない実力を有したスピーカーシステムと言えます。
低域はこの様なスピーカーですのでまちがっても量感たっぷりと言う訳にはまいりませんが上質な混濁感のない
低域です。
すくなくとも小口径でリヤやフロントに負荷を掛けた不自然な低音とは大きな違いがあります。
■お渡しできる物
SB-R100 2台
自作簡易スタンド 材厚 12mm 2枚
同上用固定ねじ JIS 六角穴付きボルト ユニクロメッキ仕上げ M5首下15mm 2本と18mm2本
※スピーカー背面のメネジは非常に舐めやすいので締め付けには充分ご注意ください。
壁掛け用ブラケット 2枚
※簡易スタンド固定ねじ は
M5首下15mm 2本とM5首下18mm 2本の計4本をお付け致します。
どちらかをご使用ください。
R100背面パネルのスタンド固定用のM5メネジは深さ12mmです。
必要以上に長いボルトで締め付けると背面パネルが破損しますのでご注意ください。
壁掛け用ブラケットと固定ビス(壁側の木ねじは落札者様にて手配願います。)
※高トルクで締め付けると自作スタンドの木部破損に繋がりますので締め付けトルクは加減してください。
※写真9、10の他の機器は本出品とは非該当品の為付属致しません。
■商品の状態はチェックしておりますが見落としもありますのでご容赦願います。
また発送後の輸送中の荷扱いで破損する場合もありますのでその点についても
免責でお願い致します。
■発送方法
※梱包方法や緩衝材の量により120サイズ発送となる場合があります。
■落札後のキャンセルはご容赦下さい。
24時間以内にご返事いただける方のみ入札をお願い致します。
■複数落札の場合は落札後72時間以内にまとめお取引依頼をお願い致します。
(72時間経過するとまとめお取引ができなくなります。)
■お支払いはヤフーかんたん決済
商品受取り後は受取り連絡を必ずチェックお願い致します。
(チェック頂かないとスムーズに支払いが受けられません)
■ご連絡が遅れる事もありますのでご容赦願います。
■発送方法はゆうパック着払いでお願い致します。
(JPの送料は以外に高いので金額体系は事前にお調べ頂く事をお勧め致します。)
※JPのクリックポスト等、上記の発送方法以外では対応致しませんので
ご了承願います。
※落札後表記以外の発送方法を希望された場合は落札者都合にて削除させて頂きます。
その際、ヤフーシステムにより自動的に悪い評価が落札者様に付与されますのでご容赦願います。
■発送は出来るだけ丁寧且つコンパクトに行いますのでこの条件に納得頂ける方のみ入札をお願いいたします。
ノークレーム、ノーリターンでお願い致します。
以上よろしくお願い致します。